自動車部品業界の動向およびM&Aについて【2023年版】

2021年の自動車部品生産額6%増 3年ぶりの増加も材料高が足枷に

経済産業省の「生産動態統計」より、2021年の自動車部品の生産金額は、前年比5.5%増の7兆5,951億円であり、3年ぶりに増加した。

自動車部品の生産金額の推移(出所:経済産業省資料)

自動車部品の生産金額は、近年、8兆円台後半で推移している。
一方、2020年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、7兆円台前半まで大幅に減少した。2021年は3年ぶりに増加したが 7兆円台半ばまでの回復となり、コロナ前の2019年の水準まで回復していない。
一方、資材費や物流費の高騰、急激な円安などのコストが足枷になり収益を下げる要因になっている。
自動車部品は、一台の自動車に約3万点の部品が使われると言われ、自動車産業を支えている。また、世界経済の影響を受けやすい業界であり、2008年のリーマンショックによる世界同時不況時には自動車販売台数が大幅に減少し、自動車部品業界も大ダメージを受けた。

自動車部品業界の主要企業

自動車部品業界の主要企業は、デンソー(6902)、アイシン(7259)、豊田自動織機(6201)、住友電気工業(5802)、日立製作所(6501)の5社であり、トップ3はトヨタ系が占めている。
2021-2022年の自動車部品業界の業績は、上記5社の全てが増加、住友電気工業を除く4社が2桁増となり、前年から12~62%の大幅増を記録した。また、5社の売上高はコロナ前の2019年を大きく上回った。

自動車部品メーカーが避けられぬ「3つの課題」

「カーボンニュートラル/排出量の多寡」
部品メーカーが、事業活動においてカーボンニュートラルを目指す動きが顕著になっている。CO2排出量の多寡より、部品の競争力に直結する将来を予想することができる。

「電動化、社外連携強化」
完成車メーカーが電動化を加速しており、部品メーカーにとっても、その対応が重要な経営課題になっている。

「事業リスク~原材料高騰・生産調整」
多くの部品メーカーが半導体・部品不足や、完成車メーカーの生産調整への対応に苦慮している。

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