2022年、どうなる?冠婚葬祭業界のM&A

冠婚葬祭業界の動向

2019年までのブライダル事業は、比較的高価格のハウスウェディングで挙式を行うスタイルがブームとなり、堅調に推移していた。婚姻件数は減少傾向にあるが、結婚年齢の上昇などを要因に1組あたりの結婚式単価が上昇し、業界大手を中心に業績を伸ばしていた。

しかし、2020年の新型コロナウィルス感染拡大の影響により、挙式の延期やキャンセルが相次ぎ、また挙式単価も下がり、ブライダル業界の業績に大きな影響を及ぼした。

2020年-2021年の主要ブライダル会社の売上高は、ツカダ・グローバルホールディングスが前年比55.6%減少、テイクアンドギヴ・ニーズが同68.6%減少、ワタベウェディングが49.7%減少などとなった。

ブライダル関連市場規模推移

次に、2020年の葬祭業の売上高は前年比14.4%減の5,135億円であった(経済産業省の特定サービス産業動態調査)。その結果、2017年から3年連続の減少となった。2020年は葬儀業界も新型コロナウィルス感染拡大の影響により、葬儀参列者の少人数化、火葬のみなど、葬儀の縮小化の傾向が顕著になった。

出所:経済産業省、業界動向サーチ

冠婚葬祭業界の売上高ランキング(20202021年)

冠婚葬祭業界の売上高ランキング(1位~10位)は、以下の通りである。

売上高ランキング (億円) (%)
順位 会社名 売上高 市場シェア
1位 ツカダ・グローバルホールディングス(2418) 271 12.4
2位 テイクアンドギヴ・ニーズ(4331) 200 9.1
3位 ワタベウェディング株式会社(未上場) 196 9.0
4位 燦ホールディングス(9628) 188 8.6
5位 エスクリ(2196) 129 5.9
6位 ティア(2485) 119 5.4
7位 株式会社レクスト(未上場) 110 5.0
8位 サン・ライフホールディングス(7040) 103 4.7
9位 アイ・ケイ・ケイホールディングス(2198) 87 4.0
10位 千趣会(8165) 84 3.8

出所:会社四季報などより作成

千趣会はブライダル事業の売上高です。シェアとは冠婚葬祭業界の規模(対象企業の

22社合計)に対する各企業の売上高が占める割合です。

葬祭業界の売上高ランキング(2020年)

売上高ランキング (億円)
順位 会社名 売上高
1位 株式会社ベルコ(未上場) 417
2位 株式会社セレマ(未上場) 305
3位 株式会社日本セレモニー(未上場) 301
4位 燦ホールディングス(9628) 188
5位 ティア(2485) 119
6位 株式会社レクスト(未上場) 110

出所:会社四季報などより作成

2020年の売上高は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、上位6社の全てが5%以上の減収となった。

冠婚葬祭業界のM&A

最近の冠婚葬祭業界のM&A(一部)

発表月 買い手 対象企業・事業
2018 くふうカンパニー(4399) アールキューブ(会費制の結婚式サービスの提供)を完全子会社化
2018 こころネット(6060) 北関東互助センター(栃木県)の全株式を取得
2019 クラウディアホールディングス(3607) 内田写真株式会社(大阪府)の写真撮影業等を事業譲受
2019 タメ二―(6181) 連結子会社であるライジングが、株式会社メイション(東京都:格安婚サービス「スマ婚」を展開)を買収
2019 くふうカンパニー(4399) フルスロットルズ(ウェディングドレス販売・結婚式プロデュース事業)を子会社化
2020 平安レイサービス(2344) さがみライフサービス(神奈川県:)葬祭業、シンエイ・クリエート・サービス(同県:ホテル経営)を完全子会社化
2020 エスクリ(2196) ラヴィマーナ神戸が運営する結婚式場「ラヴィマーナ神戸」を事業譲受
2020 タメ二―(6181) Mクリエイティブワークスフォト(ウエディング事業)を完全子会社化
2020 タメ二―(6181) オーセモーション・プロダクツの挙式披露宴後の二次会プロデュース事業を譲受(新設分割+株式譲渡)
2020 ケン不動産リース株式会社(未上場) テイクアンドギヴ・ニーズの子会社グッドラック・コーポレーション(海外・リゾートウエディング事業)の株式(全体の91.8%)を取得

出所:各種開示資料より作成

冠婚葬祭業界の課題および今後について

ブライダル業界

近年の婚姻数は減少傾向にあり、2020年の婚姻数は52万5,490組(厚生労働省)となっている。これには少子高齢化や初婚年齢の上昇が関係していると推測され、ブライダル業界としてはマイナス要因である。また、「ナシ婚」と呼ばれる披露宴を開催せずに婚姻届を提出するだけの結婚形態や事実婚などもブライダル業界にマイナスの影響を与えている。

葬儀業界

死亡件数は137万2,600人(2020年、厚生労働省)であり、ブライダル業界とは反対に増加傾向にある。しかし、遺族がインターネットで葬儀場を探せるサイトが普及し、簡素な家族葬・直葬が増加している。そのため、各社の業績は伸び悩んでいる。

今後について

新型コロナウィルスの感染拡大により、参列者が集まる冠婚葬祭は厳しい状況が続いている。

結婚式場はオンライン配信の併用、二部制の導入などにより、人が密集する機会を減らす対策がとられている。また、葬儀では家族葬などコロナ禍以前からの規模縮小の傾向が加速している。このような状況下、政府は2021年6月に発表した「経済財政運営と改革の基本方針2021年」に基づき、新婚世帯の経済的負担を軽減する「結婚新生活支援事業」(最大60万円の結婚支援金の補助)を開始している。

 

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