2022年、どうなる?自動車整備業界のM&A

 

Ⅰ 自動車整備業界の動向

自動車整備の業界市場規模は、(社)日本整備振興会連合会によって「自動車分解整備業実態調査結果概要」として公表されている。

なお、行政から認定を受けた指定工場含む認定工場の売上のみ統計の前提となるため、認定工場ではない鈑金・塗装専業、一般のガレージの売上は、統計データに含まれない。2020年の調査によると、自動車整備業界の総売上(市場規模)は約5.6兆円である。

自動車整備業者は、自動車整備を主な事業とする「専業整備業者」、カー用品や中古車、ガソリン等の販売を主体として自動車整備を補助的に行う「兼業整備業者」、新車販売のアフターフォローとして自動車整備を行う「ディーラー」、主として自社で保有する自動車の整備を行う「自家整備業者」の4つに分類される。

整備売上の年平均成長率を「専業」と「ディーラー」に分けて、2011年から過去10年の年平均成長率を見ると、以下のとおりである(なお、自家と兼業は相対的に小さいため省略)。

専業整備業者  ▲0.70% (過去10年)

ディーラー      +0.46% (過去10年)

ディーラーや兼業(オートバックスなど)の整備売上は微増を続けているのに対して、整備工場・モータス等の専業事業者の整備売上は、毎年微減している。これより、ディーラーおよび兼業整備業者が市場シェアを拡大していると言える。

出所:(社)日本整備振興会連合会「自動車分解整備業実態調査結果概要」

また、全国エリアにある業種・業態が『自動車整備』に該当する事業者を集計すると、 最も多い地域は愛知県、次いで北海道、福岡県、静岡県、長野県の順であることが分かる。

自動車整備事業者の地域別ランキング

順位 都道府県名 事業者数
1位 愛知県 4,599
2位 北海道 4,298
3位 福岡県 3,464
4位 静岡県 3,457
5位 長野県 3,283
6位 新潟県 3,234
7位 大阪府 3,202
8位 埼玉県 2,966
9位 東京都 2,889
10位 兵庫県 2,882

出所:日本ソフト販売「Green Page」より作成

自動車整備業界のM&A

最近の自動車整備業界のM&A(一部)

発表月 買い手 対象企業・事業
2018 プレミアグループ(7199) ロペライオソリューションズ(中古輸入車の無償修理保証サービスや整備・鈑金、自動車仕入れサポート事業)を子会社化
2018 プレミアグループ(7199) ソフトプランナー(自動車整備業界向けのソフトウェア開発・販売)を子会社化
2018 上組(9364) エムビー・サービス(高級新車の整備事業)を子会社化
2019 グッドスピード(7676) ホクトーモータース(愛知県:自動車整備業)を子会社化
2019 オートバックスセブン(9832) コクサイショパーズエイト(長野県:オートバックスセブンのFC店舗運営)を子会社化
2019 オートバックスセブン(9832) 正和自動車販売(滋賀県:自動車の修理・整備、販売)を子会社化
2020 オートバックスセブン(9832) 高森自動車整備工業(三重県:車検・整備、板金事業)を買収
2020 イエローハット(9882) 溝ノ口自動車(神奈川県:自動車の整備及び修理)の全株式取得
2020 イエローハット(9882) ジョイフル(宮城県:自動車の整備及び修理)を子会社化

出所:各種開示資料より作成

自動車整備業界の今後について

自動車整備業界は今後も安定的な成長が続くと予想されているが、進歩する自動車技術への対応などが必要とされている。

具体的には、顧客サービスの向上、自動車整備技術の高度化対応、自動車整備人員の確保および育成、外国人労働者の活用などがある。

また、専業整備業者は、「中古車販売事業」、「カーリース事業」、「自動車買取事業」の事業拡大戦略を検討する必要がある。

「中古車販売事業」では、顧客ニーズに応じた自動車を提案する際に、自動車整備業で得た経験を活かすことができる。

「カーリース事業」は、新事業として始めれば自動車整備工場と顧客のつながりを強くするのみならず、リース期間終了後は自社工場で整備した下取り車として扱うことができる。

また、「自動車買取事業」は、自動車整備工場との相乗効果が期待できる。

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