2022年、どうなる?運送業界のM&A

 

Ⅰ 運送業界の市場動向

2020年-2021年の運送業界の業界規模(主要対象企業41社の売上高の合計)は12兆9,179億円である過去の運送業界の業界規模の推移は、2015年から2018年までは増加傾向、2018年から2020年までは横ばいとなっている。

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、飲食店やアパレルショップなどへの輸送は減少したが、個人宅への宅配便取扱個数が増加した。

出所:国土交通省(グラフは業界動向リサーチによる)

 

2020年度の宅配便取扱個数は、前年比11.9%増の48億3,647万個であった。

そのうちトラック運送は前年比11.5%増の47億8,494万個で構成比98.9%を占めており、残り1.1%が航空等利用運送の5,153万個であった。

宅配便取扱個数の企業別シェアは、ヤマト運輸(42.0%)、佐川急便(29.3%)、日本郵便(22.7%)であり、上位3社が市場全体の94.0%を占めている。

近年、ネット通販市場の拡大に加え、フリマアプリによる個人間取引も増えており、宅配便の取扱個数が増加している。また、新型コロナウイルスの影響で、消費者のEC利用率がさらに高まっている。2019年の国内消費者向けネット業界規模は19.4兆円を記録、前年から7.7%の増加であった(経済産業省調べ)。

 

Ⅱ 運送業界の売上高ランキング

2020年-2021年売上高ランキングは、以下の通りである。

売上高ランキング
(億円)
順位 会社名 売上高
1位 日本通運(9062) 20,791
2位 日本郵政(6178) 20,309
3位 ヤマトホールディングス(9064) 16,958
4位 SGホールディングス(9143) 13,120
5位 日立物流(9086) 6,523
6位 近畿エクスプレス(9375) 6,091
7位 セイノーホールディングス(9076) 5,920
8位 センコーグルーホールディングス(9069) 5,724
9位 山九(9065) 5,338
10位 鴻池運輸(9025) 2,923

出所:会社四季報などより作成

売上高前期比は、1位の日本通運が0.1%減、2位の日本郵政が2.5%減、3位のヤマトHDが4.0%増、4位のSGホールディングスが11.8%増、5位の日立物流が3.0%減となった。

Ⅲ 運送業界のM&A

最近の運送業界のM&A(一部)

発表月 買い手 対象企業
2019年 安田倉庫(9324) 大西運輸を子会社化
2019年 丸全昭和運輸(9068) 国際埠頭を子会社化
2019年 ハマキョウレックス(9037) シティ-ラインの全株式を取得
2020年 栗林商船(9171) 日本通運の子会社である北日本海運の全株式を取得
2020年 トナミホールディングス(9070) 新生倉庫運輸を子会社化
2020年 トナミホールディングス(9070) 御幸倉庫を完全子会社化
2020年 SBSホールディングス(2384) 東芝ロジスティクスを子会社化
2020年 アサヒロジスティクス株式会社(未上場) 明治の連結子会社であるフレッシュ・ロジスティクスを買収
2020年 センコーグループホールディングス(9069) UACJの子会社であるUACJ物流を子会社化
2021年 SBSホールディングス(2384) 東洋運輸倉庫を子会社化
2021年 SBSロジコム 旭新運輸開発を買収
2021年 SBSフレックス 日ノ丸急送を完全子会社化
2021年 ハマキョウレックス(9037) 栄進急送とマルコ物流を子会社化
2021年 ブリリアントトランスポート株式会社(未上場) ファイズホールディングスは(運送業、物流センターの運営)への第三者割当増資

出所:各種開示資料より作成

中小規模の運送会社は、30~40年前に設立された会社が多く、経営者が高齢化して後継者問題を抱えている。そのため、経営承継の解決策の一つとして、M&Aの手法が利用されている。

運送業界の課題と今後について

アマゾンや楽天を中心としたインターネット通販、メルカリなどのフリマアプリの急成長による宅配便の取扱数増加は、運送業界にはプラス要因である。一方、運送業界ではドライバーや荷物を取り扱う作業員不足は深刻化している。

運送業界では同業他社や異業種間での業務提携を行っており、業務効率化や省人化を進めている。近年、運送会社と共に過疎地などの路線バスやタクシー、電車などの交通機関が宅配便を輸送する「客貨混載」が見られる。2020年3月には、宮崎県の村営バスと宅配大手2社、日本郵便が初の共同配送を開始し、物流の効率化に加え地域のインフラ活性化にも貢献している。

また、宅配大手は、自動ピッキングロボットを備えた大型物流拠点の建設、人口知能(AI)を活用した最適な配達ルートの自動作成、スマートフォンでの宅急便の発送手続きサービスの提供などに取り組んでいる。

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